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ディバステ特別版【1】『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』大坪鉄弥ディレクターインタビュー

こんばんは!
PR担当の舞浜たろうです。

さてさて、突然ですが今回から不定期で「週刊ディーヴァ・ステーション」特別版をお送りいたします!
何かと言いますと、「東京ゲームショウ2013」セガブースにて配布のカタログに掲載されていた「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」制作陣インタビューの再編集版を掲載いたします!

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「東京ゲームショウ2013」にご来場頂けなかった方はもちろん、ちょっとだけ内容の追加などもしておりますので、カタログをゲットされた方も改めてチェックしてみてくださいね。

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第1回目となる今回は、2014年春発売予定のPS Vita/PS3『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』の「つぼーんD」こと大坪鉄弥ディレクターのインタビューです。
なかなかボリュームたっぷりなので、ごゆっくりドウゾ!

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『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』ディレクター
大坪鉄弥

――前作『Project DIVA f/F』のユーザーの皆様からの反応はいかがでしたか?
大坪:『f/F』は、PS VitaとPS3というふたつのハードで発売させていただいたのですが、高いハードスペックによって表現可能になった高解像度の映像が高い評価を得られました。また、映像だけでなくリズムゲームとしても支持していただけたのがうれしかったですね。

――やはりハードウェアのスペックが高くなったぶん、美しい映像を見せたかったのですね。
大坪:そうですね。『Project DIVA』というと映像があって、そのうえでリズムゲームがあると認知されていますからね。『Project DIVA Arcade』でも美しい映像が見ることができますので、『F』シリーズでは『Project DIVA Arcade』とは違ったCG表現を目指して開発しました。

――『F』を作り終わった時はどんなお気持ちでしたか?
大坪:PS Vita版を作り終わった時はPS3版を、PS3版を作り終わった時は『F 2nd』を作らなきゃなぁ、という感じだったので、あまり「感慨深い」「これでゆっくりできる~」とかはなかったですね。(笑)

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――そんな『F』の系譜を受け継ぐ最新作『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』のテーマは「これまでのDIVA←→これからのDIVA」。これにはどんな意味が?
大坪:これは「今までを踏まえてこれからに繋げていこう」という意味ですね。
PSP版に収録されていた過去の人気曲の映像を、今観ても遜色のないように作り直しつつ、最新のリズムゲームの仕様を盛りこんでいく。これが「これまでのDIVA」。そして「これからのDIVA」は、現在人気のある楽曲を収録するのは当然ながら、映像表現として『f/F』を超えるクオリティを作り上げ、さらにこの先に向けての仕掛けを盛りこんでいくということです。

――今までやってきたことを2014年度版にアップデートするという気持ちは強かったのですか。
大坪:それもありますね。『F 2nd』立ち上げの際に「過去作のPVを移植しよう」という話があって、実際にそのまま移植してみたのですが、「そのままじゃ物足りないよね?」という意見がありまして。それで「じゃあ『F』シリーズらしいアップデートをしていこう」という事になりました。

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――『Project DIVA』は映像がすぐれているため、リズムゲーム部分への評価がおざなりになることもありますが、やはりゲーム開発者としては複雑な気持ちも?
大坪:複雑な気持ちもありますけど、それも評価のひとつだとも思います。「ミクさんの足がチラッと見えたら、そっちに目が行くよね」みたいなのも含めて『Project DIVA』なんだと思います(笑)。
ただ、あまりにもゲームとして成立しない映像や譜面にないよう、バランスには気をつけています。映像と譜面を作る担当者は別々なのですけど、映像と譜面を合体した後に、ベストな状態になるよう調整をしています。たとえば、キャラクターの顔にターゲットアイコンができるだけ被らないようにするとかですね。

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――リズムゲームとしてはどういった進化を?
大坪:毎回、シリーズ開発時に心がけていることに「リズムゲームは、難易度「ノーマル」がもっとも楽しいものでなくてはならない」というのがあるのですが、「ノーマル」だけではヘビーユーザーの方は物足りなくなってしまう。なので『Project DIVA』シリーズでは難易度を初心者から上級者まで、幅広くカバーするように「イージー」、「ノーマル」、「ハード」、「エクストリーム」の4段階を用意しています。
さらに、クリアを助けてくれる「ヘルプアイテム」、難易度を上げる「チャレンジアイテム」という要素があるのですが、今作では「ヘルプアイテム」、「チャレンジアイテム」を複数掛け合わせできるようにして、自分なりの難易度調整ができるようにしました。ちなみに、今回の東京ゲームショウ2013で出展しているバージョンでは、チャレンジアイテムを2つ付けられるようになっています。
ほかには『f/F』で追加された、奏でるように擦る操作「スクラッチ(フリップ)」を発展させた、「ダブルスクラッチ」や「リンクスクラッチ」という操作が加わって、より遊びの幅が広がっています。

――映像表現や演出で特にこだわったポイントは?
大坪:映像をよくするための新しい試みはたくさん盛り込んでいます。なので『f/F』をプレイしていただいたお客さんには「前より映像が綺麗になっている!」と感じてもらえるでしょう。実は制作の体制も『f/F』と『F2nd』で大きく変わっているんです。『f/F』はアーケード版の『Project DIVA Arcade』チームとのジョイントプロジェクトだったのですが、『F 2nd』は彼らとの共同作業の経験を踏まえたうえで、コンシューマチーム主体で制作しています。開発体制を変えて、最初にプログラム基礎設計の「リビルド」を行いました。『f/F』で作り上げた開発資産をそのまま使うのではなく、一度バラして精度を上げて再度組み上げる。これを行うことで、画質の向上や新しい映像表現に挑戦することができる余裕が生まれました。

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――キャラクターモデルも『f/F』からさらにチューニングを行なったそうですね。
大坪:『f/F』では「最高にかわいい初音ミク」、つまり「ミクさんマジ天使」が開発コンセプトだったのですが、やっぱり今見ると直したい部分もあって……ぶっちゃけて言えば、私がかわいくない、格好良くないと思ったところは全部直しました(笑)。髪型のバランスやディテールの粗が目立ってしまった点の修正などを徹底的に行なっています。

――「初音ミク」というとイメージはアイコンとしてはありますが、実は人によって印象はバラバラで、作品によってもイメージが異なると思います。その自由度の高さが魅力だとも思いますが、スタッフ間のイメージの統一は難しくないですか。
大坪:イメージは統一できていないかもしれないですね。設定も年齢と身長と体重、あとはキャラクターボイスくらいしかなく、曲ごとにも印象は大きく変わります。
ただ、コスチュームを制作する際には、「『Project DIVA』のミクが衣装を着ていることがわかるように」というのは心がけています。そのコスチュームも今までに250種類以上あって、今回でもたくさん作っています。似たようなものも出てきていますが、作る上ではあまり気にしていませんね。

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――8月30日に行なわれたイベント・初音ミク「マジカルミライ2013」のキービジュアルとして採用されているコスチュームも本作に登場するそうですね。
大坪:はい。初音ミク「マジカルミライ2013」のキービジュアルに描かれているコスチュームのCGデータは『F 2nd』チームでモデリングしたデータをライブチームに提供しました。モデリング時には、3Dモデルとして動かしたときに一番かわいく見えるように、ボリューム感などの調整を施しています。

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――「東京ゲームショウ2013」で遊べる楽曲についてそれぞれ見どころをお聞かせください。
大坪:「アカツキアライヴァル」は今作の新規収録曲ですが、映像表現的に『f/F』よりも一歩進んだ演出効果を使用しています。ライブシーンに加え、心象的なインサートシーンなど、見どころもたくさんありますよ。
「ロミオとシンデレラ」は『Project DIVA 2nd』からのリメイクになります。「Project DIVA楽曲総選挙」第1位の楽曲にふさわしい見栄えになるよう、ステージやライティング、カメラワークなどに調整を入れました。
「カラフル×メロディ」は元々のさわやかな路線はそのままに、表情がより豊かになるよう調整しました。ちなみに製品版の収録楽曲は、移植曲と新曲が半々ぐらいの予定ですが、全体の楽曲数はまだ内緒です(笑)。

――大坪さんのオススメは?
大坪:全部です!

――即答ですね。(笑) 最後に、ユーザーの皆様に向けて一言お願いします。
大坪:前作以上の「ミクさんマジ天使」を実現すべく、スタッフ一同全力で頑張っています。期待して待っていてください!

(本記事のインタビューは2013年8月に実施したものです。)

■『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』公式サイトはこちら

(PR担当/舞浜たろう)